個人で高額のサービスを売る時に知っておくべき顧客心理のこと

クライアントさんに教えてもらったシリーズ

個人でビジネスをしている人の中には、
いろいろな人がいて、

一回に300万円のコンサルフィーをもらう人
半年で9000万円の顧問契約を企業と結んでいる人
などなど、自分で値段が決められる職種である以上、
金額は青天井に上げていくことができたりします。

もちろんそういう人というのは、
少ないわけですが、
なぜそんなことが成り立つか?

ということは僕自身、
理解することができたりします。

それは、僕が会社員時代、
高額を払っていただいたことで、
とてつもないお叱りを受けたからでして・・・、

その経験があったことにより、
大変おこがましいですが、現在僕は、
結構、高額な部類のコンサルフィーを
いただく機会があります。

そこで今日は、個人でビジネスをする際、
クライアントさんから高額をいただく時に、
知っておきたい、

高額を払う方の心理について

僕の壮大な失敗談を元に、
少し解説してみたいと思います。

お客様との信頼を一発で失ったクレーム対応

僕は以前、大手の住宅メーカーに勤務していまして、
そこではかなり高級な部類の住宅を販売していました。

入社して2年目くらいの頃、
僕は6000万円くらいの
二世帯住宅を契約していただき、

無事に工事着工を迎えていたのですが、
その時にとんでもないクレーム
抱えることになります。

二世帯住宅ですので、
息子さんご夫婦と親御さんご夫婦の、
お家だったのですが、

そのお家は、契約までは親御さんの、
“お父さん”はあまり登場せず、
ほとんど息子さんご夫婦との打合せのみで、
契約が決まりました。

ただ、建てる場所がお父さんのお土地でして、
建築着工になると、
むしろ、お父さんと顔をあわせることが
多くなっていきます。

息子さんは大手の会社に勤められる会社員の方で、
お父さんは、会社を経営されている社長さんでした。

息子さんからは、

息子さん
倉地さん、親父を怒らせると怖いから気をつけてね。
俺も親父には頭が上がらないから。

と注意を受けていたのですが、
そんな注意とは真反対の穏やかな性格のお父さんで、

どこが怖い方なんだろう。
僕の対応がしっかりしているから、
ニコニコしてくれているじゃない。

僕は、余裕をぶっこいておりました。

そんな時に事件が起こります。

僕はその日はお休みで、
友人と旅行に出かけていたのですが、
あろうことか、そんな日に、
建築現場の非常用トイレが
風で倒れる
という事件が起こります。

夜中の12時くらいだったと思いますが、
息子さんから電話が入ります。

息子さん
倉地さん、トイレが倒れていますよ!
えー、すぐに工事監督に電話を入れますね。
息子さん
お願いしますよ。気持ちの良いことではないですよ!
ですよね。すみません。

そんなやりとりをした後、僕は、
工事監督にすぐに電話をして、
現場にスタッフを向かわせました。

「何をやってるんだよ!現場は!」

現場のことの状況はわからなかったのですが、
なんとか無事にトイレを直すことができた旨の
報告を受け、再度、息子さんに電話で
報告したのですが、その際に、息子さんから、

息子さん
親父の対応だけはしっかりとお願いします。

と言われたのですが、
その日は旅行中、次の日も休日で、
僕は旅行先に滞在していますので、

休み明けに今回のことを謝りに行こうと
思って電話を切りました。

次の日、朝起きたら、
僕の携帯に着信がなります。

息子さんからでした。

息子さん
親父が怒っているから
すぐにこっちに来て欲しい。

旅行中だったのですが、
僕は急遽、4時間かけて現場に駆けつけ、
お父さんのところに謝罪に行ったのですが、

リビングで迎えてくれたお父さんは、
それまでとは嘘のような鬼の形相で、
僕をにらみつけます。

お父さん
倉地くんさあ、問題が起こったら、
すぐに営業マンが駆けつけるもんだろう。
あ、はい。すみません。
休日中だったもので・・・。
お父さん
そんなこと関係ない!
俺は倉地くんを信用して、
家を買ってるんだよ。そんなことくらい、
できる人間だと思って信頼してたのに残念だよ。

正直この時の僕は、

「トイレが倒れたのって僕の責任なの?」

ということを思っていました。

しかし、このことをお父さんに
見破られたんでしょう・・・、
僕の態度がお父さんの怒りに
さらに油を注ぎます。

お父さん
倉地くんって、会社を経営したいって言ってただろう!
経営者を目指す奴が、自分の大切なお客様の現場で
問題が起こったのに、次の日の朝一に、
菓子折り持って謝罪にも来ないのか!
そんな奴が経営者なんてできるわけないだろう!
え?
お父さん
そういうお客様の気持ちがわからないやつに
経営者なんて無理なんだよ。
お前は経営者の器じゃない、
倉地くんにはがっかりだ!
倉地くんを見込んで契約したのに、
心底がっかりした。

この後、僕はお父さんから、
いかに僕が経営者の器ではないか、ということを
2時間ほどお説教をいただきまして、
菓子折りも受け取ってもらえず・・・、
僕はとぼとぼ、引き返しました。

「どうしたらいいだろう?」

お父さんの怒りを鎮める方法も思いつかない僕は、
息子さんに電話します。

この度は本当にすみませんでした。
息子さん
だから言ったでしょ。親父は厳しいって。
なんて言われたの?
信頼していたのにがっかりだと・・・。
息子さん
あー、いつか親父が倉地くんにそんなことを
言うんじゃないか
って薄々感じていたんだよね。
え?そうなんですか?
僕、何かまずい雰囲気ありましたか?
息子さん
いや、そうじゃないんだけど、俺がずっと、
小さい頃から言われてきたことを
倉地さんはできていなかったから。
でも、そんなことはできなくてもいいんだけどね。
僕にできていないことってなんでしょう?
息子さん
普通のことだけど、
相手の気持ちを先回りをするとか、
トラブルが起こったら、すぐに謝りに行くとか、
俺も小さい頃からずっと親父に口うるさく、
言われてきてさ。厳しすぎるんだよ。
すみません。そういうことに気づけずに・・・。
息子さん
俺は怒ってないから大丈夫だよ。
それより親父って自分が可愛いと思ったやつにしか、
厳しくしないから、親父の信頼を取り戻してみてよ。
できるんでしょうか?今日の感じだと、
契約のキャンセルも考えたのですが・・・。
息子さん
多分、親父は契約のキャンセルなんて考えてないよ。
それより、これからの倉地くんの対応を見てるよ。
ほんとですか?菓子折りさえ
受け取ってくれませんでしたけど。
息子さん
明日、朝一で、違う菓子折り持って、
もう一度親父のところに行ってみなよ。
はあ、会ってくれるかどうか・・・。
息子さん
これは俺の家の問題でもあるんだよ。
親父の機嫌が直らないと、
家が建たないぜ。
応援してるから頼むよ。
親父は厳しいけど、
間違ったことは言わない人だから。
わかりました・・・。
ありがとうございます。
僕のできることをやってみます。

ちなみに実は、こういう感じの、
僕以外の問題のクレームは初めてでした。

「僕がミスをしなければクレームは起こらない。」

そんなことを思っていた僕は、
現場のミスやトラブルはどこか他人事だと
思っていたように思います。

“トイレが倒れたのは工事監督の責任”

でも、怒るお父さんを見て痛感します。

住宅を購入した人は、

“倉地という営業マンで買っている”

のであって、現場で起こることも
全ての責任は僕にあるということ。

その責任感のなさ、どこか他人事だと
思っている僕の気持ちを察して、
僕に対して、お父さんは、烈火の如く
怒りをぶつけていたのだと、
息子さんの電話で気づけたような気がしました。

「あー、なんかお父さんに
申し訳ないことをした・・・。」

僕は次の日、朝一で再度、
お父さんに謝りに行きました。

しかし、今度は家にも上げてくれません・・。

そして次の日も・・・。

ただ三日目の朝、僕が菓子折りを持って、
お父さんのお家のピンポンを押すと、
強めの雨が降っていたこともあったんでしょう。

「上がりなさい。」

とお父さんがついに、
家に上げてくれました。

とても落ち着いた声で僕をさとすように
お父さんが話まします。

お父さん
高い買い物をする時は、人で買ってるんだよ。
そのことがわかったかね?倉地くん。
はい。今ではわかります。ただ、お恥ずかしい話、
以前お父さんにお叱りを受けた時には、
わかっていませんでした。
お父さん
だから俺は倉地くんは
経営者の器じゃないって言ったんだよ。
自営業なんて自分を売り込む営業だ。
なるほど・・・。
お父さん
俺、というより息子は
倉地くんで家を買ったんだよ。
息子から相談を受けた時、
“倉地くんは信用できるから倉地くんで建てる”と
言われてゴーサインを出した。
そして息子から経営者になりたいという
倉地くんの夢も聞いていた。
言葉もありません・・・。
お父さん
息子は倉地くんのこういうところを
気に入ったんだろうな・・・。
え?
お父さん
昔の息子にそっくりだよ。倉地くんは。
いや、本当に息子さんには
助けてばかりいただいています。
僕が不甲斐ないばかりに・・・。
お父さん
いやいや、俺も強く言い過ぎたなと
反省していたんだ。
ただ、経営者を目指すなら、
信頼を失うような振る舞いや考えは
改めなければいけない。
常にお客様は常に、
“倉地くんで買っている”
と肝に命じること。
特に高い買い物の場合、
お客様はその部分を
“一番の購買理由にしていること”
を常に考えておきなさい。
あ、ありがとうございます。
お父さん
俺が怒ってしまったことで、
建築もストップして、多分、今、倉地くんは、
会社からも “どうにかしてこい” と言われて、
会社と息子から、板挟みだっただろう?
会社に戻って、もう、親父は怒っていないと
報告して来なさい。

それを聞いて恥ずかしながら、
涙が溢れました。

クレームが発生して以来、
生きている心地がしなかったことと、
信頼を失うことのつらさ、
息子さんにも会社にも
申し訳ないという気持ち。

それらが一気に緩んだこと、
またお父さんが僕に大事なことを
教えてくれたことに対しての、
感謝の気持ちが溢れて、
しばらく嗚咽が止まらなくなるくらい泣きました。

その後のお父さんとの関係

お父さんはそれ以来、
僕を息子さんと同じような感じで
可愛がってくれて、
経営者としての心構えや人生についてなど、
色々なことを教えてくれました。

この事件がきっかけでしたね、
営業としての僕に変化が起きたのは。

それまでは大手の看板があって、
その看板で相撲を取っている、
という営業という感じでしたが、

“自分自身で住宅を売る”

という気持ちに変わりました。

お父さんから言われた、

“経営者は自分を売り込む営業である”

この言葉が妙に心に刺さって、

“お客様は僕を買っているんだ!
だから僕の信頼を落とすことが、
一番の罪なんだ!”

そう思えるようになりました。

そんな変化を感じてもらえたのか、
お父さんからは、

「お、いい顔つきになってきたな!」

なんてことを言ってもらえたり、
息子さんからは、

「親父の信頼を取り戻すなんて、
さすがは僕が選んだ営業マンだ。」

お褒めの言葉をいただいたりと、
この件があって、僕は、
営業として一皮むけたような感じがしました。

その後、地元の盟主であるお父さんからは、
様々な方をご紹介いただきました。

嬉しかったのはご紹介いただく時に、
お父さんがその方に、
“いかに倉地が素晴らしい営業か、
経営者の器があるか”

ということを話してくれたことです。

ちょっと前、僕はお父さんから、
“経営者の器ではない”
2時間ほど聞かされていたわけですから、
大きな進歩ではないでしょうか^^

お父さんにご紹介いただいた方の
新築住宅がどんどん建って・・・、

と言えればかっこいいのですが、
これが僕の力不足で、なかなか契約に至らず、
結局、お父さんからご紹介いただいた方は、
一件も契約にはならなかったのですが・・・、

でも契約以上に僕は、
お父さんから大事なことを
教わったように思います。

まとめ

今、僕は、個人では結構、高額な部類のサービスを
受けたりすることがあります。

また、高額を取れずに、または取れても、
その後、うまく行かないという方の相談を
お受けしたりします。

高額を払う方の心理は、住宅でも、
個人でサービスを提供するにしても
全く同じだと今では理解できます。

その人の信用を売る。そして買う。
その信用が崩れた時、住宅と
同じようにクレームが発生する。

このシンプルなことを僕は、
お客様のお父さんから教わりました。

今では昔の僕に言ってあげたかったことを
偉そうにもクライアントさんに
お伝えしている感じです。

本当にお父さんには感謝ですね。

若造の僕を完膚なきまでに
打ちのめしてくれたことに^^

今でもそれは大きな財産です。

最後までお読み頂きありがとうございました。
何かの参考にしていただければ幸いです。