こんにちは。倉地類人です。
さて、今日も道売りストーリーテラーチーム
のフォローメールを
進めていきたいと思います。
今日のテーマはまた、
オーディナリーワールドに
関してものものに
戻りたいと思います。
テーマは、
感情の真空
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についてです。
人が無条件でその人の
話を聞いてしまう
場面があります。
それが今日のテーマ、
人の中に感情の真空が
生まれた時です。
人の中に感情の真空が
生まれている時というのは
どんな状態かというと、
そわそわして落ち着きがなく
少し驚いた感じで
あっけに取られた状態を
意味します。
豆鉄砲をくらった状態。
人はこの状態に
なっている時というのは、
無条件にその時の情報を
吸収してしまいます。
イメージとしては
空の注射器にフタをして
下に向けプランジャー部分を
(液体を押し込む棒の部分)
上に持ち上げた感じ。
先っぽに栓をされた注射器の
プランジャーを上に持ち上げると
プランジャーは持ち上がりますが、
注射器内には真空が作られて
プランジャーはすぐに
下に戻ろうとするはずです。
人の感情に同じような
状態になることがあり、
この戻ろうとする時に
与えられる情報は
スーと入ってしまう。
これが感情の真空時の
情報が人の中に
取り込まれる原理です。
ではどうやったら
人の中に感情の真空を
作ることができるのでしょうか?
一番簡単なのが、
相手が質問してきた時です。
人というのは誰かに
質問する時というのは
無意識に求めている答えを
予想しているものです。
例えば住宅の展示場で、
お客さんが営業マンに対して、
「○○さんの家って
高いんでしょう?」
という質問をしたとしたら、
お客さんはだいたい
二つの答えを
予想しています。
一つは、
「高いですよ」
もう一つは
「高くないですよ」
この二つのパターンの
答えが営業マンから
発せられた場合には
お客さんとしても
あらかじめある程度
予想をしているので、
感情が動くことは
あまりありません。
しかしこの時もし、
営業マンから
自分が予想していた答えとは
違う答えがとんできた
その場合どうなるか?
この時にまさに
お客さんの中に
感情の真空が
作られるわけです。
この時、営業マンから
例えば、
「なるほどそのような
質問をされるということは
ある程度、高額の住宅を
探されていらっしゃるのですね?」
こんな答えが
返ってきた場合、
さすがにお客さんの中には
こう返ってくるだろうという
頭はありません。
すると、
「え?ああ、ま、まあ
ある程度は高い家が
候補になってますね…。」
みたいに答えにこまって
どもってしまったりする。
この時がまさに
お客さんの中に
感情の真空が
生まれている時です。
その時に営業が
こう答えたらどうでしょう。
「ですよね。
ある程度高額の
住宅を選択できる
ということ自体、
選ばれし方なんですよね。
そんな方々にふさわしい
レベルの家が
私どもの提供している
家になります。」
こう言われたら、
お客さんは気持ちがよく
なってしまうかもしれませんね。
感情の真空が
作られていますから、
真空状態のプランジャーが
戻ろうとするように、
営業の言葉を吸収しちゃう。
「そ、そうですね。
僕たちも安い家を
望んではいませんから。」
いつの間にか
お客さんは高い家を
選択するのが普通だと
思うようになる
なんてことが
あるかもしれません。
敏腕営業はこの仕組みを
知っているため、
自由にお客さんに
感情の真空を作り
新たな情報を
お客さんの中に
投入することができます。
このことだけを聞くと
営業マンの巧みな話術
のことだけのように
聞こえますが、
人というのは、
感情が動いていない時
つまり冷静な時というのは
自分にガードがある状態で
その時にこちらが何を言っても、
スーと聞き入れてくれることは
稀だということは
知っておいた方が
いいんですよね。
相手がガードを
張っている時も。
でも逆に、感情の真空が
生まれた時には
こちらの言いたいことを
相手に入れることが
できることも
覚えておく必要がある。
この原理を利用しているのが、
【道ストーリーVOL.11】面白いとは?
で説明していることなんです。
・あたかも筆者が、
自分のことを
知っているかのように
書かれている
・筆者が私たちの知らない
未来を予想している
(預言者的立ち位置を想像する)
・自分の図星のことを
言ってくれる
・自分のまったく知らない
世界を教えてくれた
VOL.11でお伝えした
人が面白いと感じる時の
特徴ですが、
これらのことは
読者が予想しているものを
はるかに凌駕している
もののはずです。
だからこういったことが
オーディナリーワールドで
書かれていると
読者の中に次々に
真空が作られるわけです。
だからオーディナリーワールドという
退屈なシーンであっても、
読まないわけにはいかなくなる。
いくら良い内容のものでも、
人の感情が動いていない状態、
冷静な状態では
相手に入れることは
難しいところがあります。
だからこちらの言いたいことを
読者に伝えるためにも、
読者に感情の真空を
作る必要はどうしてもある。
まあオーディナリーワールド
だけではないですけどね。
新世界、ゲシュタルトを
聞いただけでも、
「え?そんな世界あるの?」
みたいに読者に
感情の真空が生まれる
くらいのものでないと
いけません。
読者が予想していた、
どこかで聞いたことがある
ようなものでは
感情の真空は作られず
聞き耳も立ててくれない
なんてことが
起こってしまいます。
鳩が豆鉄砲を
食らったような
「え?」
ってなる感情の真空の
連続が展開される。
ゲシュタルトから始まる
オーディナリーワールドは、
そのくらいの面白さが必要です。
「私の作ったゲシュタルトや
オーディナリーワールド
面白いでしょうか?」
ということをよく
聞かれるのですが、
面白いものというのは
そのジャンルの
素人の僕が聞いても、
「え?何それ?」
って聞きたくなります。
僕の中に感情の真空が
作られている証拠です。
でも多くの場合、
感情の真空ではなく、
「ん?」
って眉間にシワが
よってしまうようなものが多い。
これは感情の真空が
作られているのではなく
僕がただ単に、
言っている意味が
理解できてないだけです。
これではダメですよね。
相手が予想していないものでは
ある必要がありますが、
きをてらいすぎて、
意味不明ものでは
感情の真空を作るどころか、
わからない。
いろいろな営業マンを
見てきましたが、
口がうまいうまくない
にかかわらず、
売れる人は
人に感情の真空を作るのが
上手な人が多かった。
そして人の中に
感情の真空を無条件で
作ることができるのが、
一般の人には見えていない
マイノリティの人だけが見えている
新世界を語ること
なんですよね。
だから道売りができる人の話には
説得力とついつい
話を聞いてしまう力が宿る。
感情の真空
が読者に作られるためです。
ということで今日から、
感情の真空、
意識してみてください。
これから共通言語として
使うこともあると思うので
この言葉も覚えちゃいましょう。
さて、あなたは
あなたに初めて触れる
道売り物語で
どのようにして
読者に感情の真空を
作るでしょうか?
ゲシュタルトの設定や
オーディナリーワールドを
作っていく時に
常に意識してみてくださいね。
きをてらっただけのものに
ならないように
注意してくださいね。
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【宿題VOL.14】
Q1、さんがこれまでの生活の中で誰かに感情の真空をつくられた場面をあえて思い出して書き出しましょう。ストーリーを作る時のヒントになるはずです。
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