営業の基本は全て例え話にあると営業の神様から教わった話

僕は大手住宅メーカーで長らく営業を、
その前は都内の新築のマンション販売をする
営業職に就いていました。

今ではその時の経験をもとに
セールスをクライアントさんに
お教えたりしているのですが、

僕が営業をしてきた上で、
営業をするにあたって、
テクニックや話術よりも前に

これほど役に立った教えはない

という教えがあります。

それは営業の天才みたいな人に
教わったことなのですが、
今日はその営業の極意というか、
基本の基本みたいなことを
教えてもらったことをもとに
お話ししてみたいと思います。

営業の神様は僕の営業スタイルをこう指摘した

僕が新卒で最初に入った会社は、
都内の新築マンションを販売する営業職でした。

完全飛び込みスタイルの会社で、
電話と飛び込みセールスのみで、
契約を取らないといけないという、

けっこう体育系の会社で、
僕は毎日のように、
電話帳のあ行から
順番に飛び込みの電話セールスをしていました。

その時の上司が普通では
そんな会社にいてはいけないというか・・・、

住宅メーカー界隈では、
営業の神様と言われた
Oさんで、たまたまその会社に
臨時で入っているという、
まあ、それはそれはすごい方でした。

事実、その方は数カ月後に、
誰でも知っている住宅メーカーの
取締役に就任したので、
本当にそんな方に僕が
指導をしてもらえるなんて、
本来であればありえないことだったと思います。

その0さんが僕の飛び込みの
電話セールスを聞いているわけです。

その時の僕は新人でしたし、
営業なんてしたこともないので、
とにかく物件の良さをアピールしていました。

[voice icon=”https://kurachi.jp/wp-content/uploads/2019/04/boku.jpg” name=”僕” type=”r icon_red”]この山手線内に駅から徒歩5分で、
これだけの物件は滅多にないですよ![/voice]

[voice icon=”https://kurachi.jp/wp-content/uploads/2019/04/boku.jpg” name=”僕” type=”r icon_red”]5500万円でこの条件でこの立地は、
かなりお買い得だと思います![/voice]

どれだけこの物件が素晴らしいか
電話で見込み客の方に
アピールしようと必死でした。

でもこちらがいくらアピールしても、
どうしても見込み客の方と
温度差があるというか・・・、
なかなかアポイントを取るまで至りません。

それはそうですよね。
いきなり、飛び込みでかかってきた
セールスの電話ですから、

僕が鼻息荒く、いくら物件の良さを
アピールしても相手とすれば、
冷めているのは当然です。

そんな時、Oさんが僕に教えてくれたのが、

[voice icon=”http://kurachi.jp/wp-content/uploads/2019/05/21515151.jpg” name=”Oさん” type=”l icon_blue”]倉地くん、物件をアピールするときは、
主観は入れなくていいよ。

“営業は例話法に始まり例話法に終わる”

例え話で全て会話してみな。[/voice]

ということでした。

0さんは顔が恵比寿天みたいな
笑顔100パーセントで作られた人みたいでして、
アドバイスも優しい優しい。

ただ、この0さんがおっしゃった、

営業は例話法に始まり例話法に終わる

という真意がその時の僕には
イマイチ理解できませんでした。

主観を述べても相手は気にいってくれない

その後も毎日のように
電話営業をしていたのですが、
僕のアポイント率はなかなか上がりません。

それどころか、電話をした方を
怒らせてしまったりするのもしばしばでした。

電話が会社にかかってきて、

[voice icon=”https://kurachi.jp/wp-content/uploads/2019/04/customer.jpg” name=”” type=”l icon_blue”]いらないって言ってるのに、
しつこいアピールをしてくる
倉地ってやつをなんとかしろ![/voice]

とか言われる始末。

新人でがむしゃらさだけは
誰よりもあったのですが、
どうも空回りが続きます。

そんな時でした。

恵比寿天が優しく声をかけてくれたのは。

[voice icon=”http://kurachi.jp/wp-content/uploads/2019/05/21515151.jpg” name=”Oさん” type=”l icon_blue”]倉地くんはさ、やっぱり主観が強くなってるね。
営業は例話法に始まり例話法に終わるんだよ。[/voice]

とまた同じことを教えてくれるのですが、
腑に落ちない顔をしていると、
Oさんがおもむろに、

[voice icon=”http://kurachi.jp/wp-content/uploads/2019/05/21515151.jpg” name=”Oさん” type=”l icon_blue”]さっき、怒らせてしまった人の
電話番号教えてごらん。
僕がかけてあげるよ。[/voice]

と言ったかと思うと、
先ほどブチギレていた電話の向こうの方に
電話をかけ始めました。

[voice icon=”https://kurachi.jp/wp-content/uploads/2019/04/boku.jpg” name=”僕” type=”r icon_red”]さすがにそれはまずいんじゃないの?
さっき、僕の電話でかなり怒っていたし・・・[/voice]

と思ったのですが、
これがまあ、さすがは営業界の恵比寿様、

スーと僕の無礼を詫びたかと思うと、
笑顔が声に乗ったような声で
スラスラと会話をし、
数分も経たずして、その方と意気投合。

考えられないことにアポイントまで
取ってしまったのです。

僕はね、これ見せられたとき、
正直、鳥肌が立ちました。

[voice icon=”https://kurachi.jp/wp-content/uploads/2019/04/boku.jpg” name=”僕” type=”r icon_red”]な、なんだこれはー![/voice]

って感じです。

[voice icon=”https://kurachi.jp/wp-content/uploads/2019/04/boku.jpg” name=”僕” type=”r icon_red”]Oさん、かっこいい・・・[/voice]

で、Oさんがまた言うわけです。

[voice icon=”http://kurachi.jp/wp-content/uploads/2019/05/21515151.jpg” name=”Oさん” type=”l icon_blue”]ね?例話法に始まり例話法に終わる。
わかったでしょ?[/voice]

うーん。このとき
ちょっと初めてわかりました。

Oさんの実際のトークは初めて聞きましたが、
トークの中で、

“自分がこう思います”

と言うことは一回も言っていなかったのです。

では何を言っていたかと言うと、

「とあるお客様がおっしゃっていたのですが・・・」


「一般的には○○と言われているところが・・・」


「こちらのモデルルームに来ていただける方は
みなさん、すごく○○に喜んでもらえるんです。」

と言う具合に、全て何かしらの例え話に
変えて喋っていたと言うこと
です。

[voice icon=”https://kurachi.jp/wp-content/uploads/2019/04/boku.jpg” name=”僕” type=”r icon_red”]僕のトークで
主観が強いと感じたのは、
この違いだったのかー。[/voice]

僕と来たら、やれ、

「この物件は素晴らしいと思います。」

だの、

「お買い得だと僕は思います。」

だの、もうよく考えると、

“俺が俺が”のオンパレード。

[voice icon=”https://kurachi.jp/wp-content/uploads/2019/04/boku.jpg” name=”僕” type=”r icon_red”]それは聞いている人も不快になって、
クレームになるよね・・・。[/voice]

Oさんに聞きます。

[voice icon=”https://kurachi.jp/wp-content/uploads/2019/04/boku.jpg” name=”僕” type=”r icon_red”]僕のトークが主観だらけはわかりましたけど、
全てを例話法となると、
“自分はこう思います”っていう感じの
トークは要らないってことですか?[/voice]

当時の僕の率直な疑問です。

Oさんは答えはこうでした。

[voice icon=”http://kurachi.jp/wp-content/uploads/2019/05/21515151.jpg” name=”Oさん” type=”l icon_blue”]主観は要らないよ。全ては例話法で話してみな。[/voice]

住宅メーカーにも営業の天狗みたいなのがいた

Oさんはまもなくして、
大手住宅メーカー行かれてしまい、
その後はOさんに
教えてもらうことはなかったのですが、
僕もOさんの勧めで、
大手の住宅メーカー転職しました。

面白いものでその会社にもまた、
営業のスーパーマンみたいな人はいて、
この方は恵比寿天というよりは、
“天狗みたいなかなり勢いのある神”でしたが、
実はその人にもまったく同じことを言われます。

[voice icon=”http://kurachi.jp/wp-content/uploads/2019/05/15454115.jpg” name=”天狗” type=”l icon_blue”]営業は例え話に尽きる。[/voice]

恵比寿天と天狗は友達か?
と思いましたが、
二人の神がそこまでいうなら
もう僕はこの考え方、

営業は例話法に始まり例話法に終わる

という言葉の信者にならざるを得ませんでした。

そもそも僕はどちらかというと、
“俺が俺が的な” ちょっと痛い性格なのです。

だから素のままで話すと、
聞き手が、
ちょっと聞きたくないなと感じに
なってしまっていることは
薄々気づいていました。

ただ、これが主観をなくし、
全て例話法にして
話し始めたらどうなったか?

これがびっくり、
お客様は不快になるどころか、
僕の話を聞いてくれる聞いてくれる。

例話法ばかりでトークをしていると、

[voice icon=”https://kurachi.jp/wp-content/uploads/2019/04/boku.jpg” name=”僕” type=”r icon_red”]ウオォー、自分の意見も言いたいぜ![/voice]

という 僕の中の、”俺が俺が” が
顔を出し始めるのですが、
そこは恵比寿天と天狗の顔を思い出し、
そっと我慢して・・・。

例話法だけで話せるトーク術を
自分のものにできた時、
初めてわかりましたね。

[voice icon=”https://kurachi.jp/wp-content/uploads/2019/04/boku.jpg” name=”僕” type=”r icon_red”]営業に主観は要らない。
本当に営業は例話法に始まり例話法に終わる。[/voice]

例話法で話すことのメリット

ではなぜ、営業に主観は要らなくて、
全てのことを例話法で話すと良いのでしょうか?

まず、例話法で話すということは、
何かの例え話や誰かが言っていたこと、
一般的に言われていることなどで
相手にストーリーを
考えながら話すこと
になります。

「僕はこう思います!」

と必死にアピールするよりも、
お客様自身で想像できる幅があることです。

人は説得されることを好みません。

[voice icon=”https://kurachi.jp/wp-content/uploads/2019/04/boku.jpg” name=”僕” type=”r icon_red”]それなのに以前の僕と来たら、
一生懸命説得しようとしていた・・・。[/voice]

でも例話法で、

「こんなことがあるんですよ。」

「みなさん、こう言われるんですよ。」

と言われると聞き手としては、
説得されているという感覚は皆無の中、
自分自身で想像し考えて “納得” できるわけです。

“説得は罪”

なんて営業の世界では言われたりしますが、
“納得” してもらうためにも、
例話法が有効なんですね。

“私はこう思いますではなく、
お客様がどう思うか?”

という部分にフォーカスしなければいけないのに、
青二才の僕と来たら、
俺が俺が ばかりでそれでは
聞き手も嫌になりますわね。

僕ぐらいの主観強め系の人だったら、
全てを例話法で言うくらいで、
実はちょうど良いということですかね。

あともう1つの効力は、
これが一番大きいのですが、

全てを例話法で語ろうと思うと、
即興で、架空の話を聞き手のために
作らないといけなくて、
それが結果的に、

“聞き手目線のトーク”

になるということです。

ちょっとわかりにくいですね。

人に物事を伝えたい時に、
例え話を用いて伝えようとするときは、
どんな言葉を使うでしょうか?

「この商品は良いということを伝えたい。」

でもどうしたら良いか?

そんなときは、

「例えば・・・」

という言葉を言って、
相手にわかってもらいやすいような
“例え話を考える”と思います。

この思考法がまさに、
営業には必要だと言うことを
おそらく二人の神の化身は
言いたかったのだと思います。

例えば・・と言う魔法の言葉

主観をなくして例話法で相手に
物事を伝えようとすると、
そのストーリーを考える時間がいります。

その時には“例えば”、と言う言葉を
使うことが多いと思いますが、
この言葉が魔法の言葉なんです。

何が魔法かと言うと、

仮に今現時点では
例話法が思いついていなくても、
自分で相手に対して、先に、

「例えば・・・」

と言ってしまうと、自動的に、
その聞き手にあった
例話法を思いつくように
なっているからです。

「嘘だー!」

と思う方は是非やってもらいたいのですが、
人間の脳というのは自分で、

「さあ、今、目の前にいる人にふさわしい
例話法を思いついてください。」

と命令をかけると、
それを思いつくようになっています。

脳の構造上ですね。

その質問を自分の脳に投げかける言葉として、
この、

例えば・・・

は凄く効果的なんです。

僕も最初、恵比寿天に、
例話法を使って語りなさいと言われても、
ピンとこなかったのですが、
この、例えばという言葉を
口癖にし出したら、あら不思議、
全てのトークが例話法になっていた、

なんてことがありました。

ただ、もともと、俺が俺が的な性格な僕は、
意識していても、ついつい、

「これが絶対にオススメです!」

と先走って主観を言ってしまうことがありました。

住宅メーカーで出会った天狗神も、
勢い強め系の営業ですので、節々に、

「住宅性能は絶対にうちがナンバーワンです!」

と口走っていました^^

ただ天狗のすごいところはここからです。

これをしっかりと例話法に変えるのです。

どうするか?

「住宅性能は絶対にうちがナンバーワンです!」

勢い余って、言ってしまった
この言葉を言ったあと、

先日来られた方がおっしゃっていまして。

とかぶせる。

思わずうまい!と思いましたが、
このようにして全てのトークから
主観を薄めて、例話法に変える技術、
営業にはかなり必要なスキルだと思いますし、

曲がりなりにも営業で
成績を出し続けてこられた僕にとっては、
二人の営業の師匠が教えてくれた、

「営業は例話法に始まり例話法に終わる」

という考え方は、
大事なものになってきましたし、
すごく大事なことだとすごく思えます。

なんか、営業というと、

「アピールしなければいけない。」

「良いところを伝えないといけない。」

といった感じを思われている方が
多くいらっしゃると思うのですが、
(昔の僕もそうですね)

実はそうではなく、

“大事なのは主観ではなく、
聞き手が納得してくれるように、
例話法を組み上げるのが仕事”

だったりするわけです。

まとめ

今では僕はセールスのスキルを
クライアントさんにお教えしていまして、
もちろんその際には、
数々のテクニックや営業理論も
お教えさせていただいています。

でもそれよりも何よりも、
営業としての立ち位置というか、
アピールや説得する立場ではなく、
お客様が納得してもらうための
橋渡し役のような立ち位置こそが
もっとも重要
だということを思います

そのためにも主観を強めることなく、
相手が納得してくれるような
トークが自然とできるようになる、

営業は例話法に始まり例話法に終わる

という考え方、ちょっと試しに
インストールしてみてはいかがでしょうか?

ストーリーで話すと聞き手は、
聞き手それぞれの解釈であなたのことを
理解してくれますし、
そこがまた営業をする上での
面白いところでもあったりします。

1つの参考にしてみてもらえたら嬉しいです。

最後までお読みいただき
ありがとうございました。

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