クレームが怖いからと不安の人が知っておくとちょっと良いこと

ビジネス

先日、とある方の相談を受けてまして、
その方から、

なんでこんなに
クレームばかり起こるんだろう?
理由がわからないし、
いつもクレームにビクビクしている
今の状況を何とかしたいんですけど
どうしたら良いですか?

という相談をお受けしました。

クレームが発生すると、
そのストレスで周りの仕事が
手につかなくなるほど、
精神を消耗したりするので、
かなり切実な悩みだと思うのですが、

僕と妻は、クレーム産業と言われる、
住宅メーカーで働いたことがある
ので、
そのあたりのことは、
ちょっとアドバイスできたりします。

ということで、
クレームが怖くて不安な方に、
こんな考え方を持っておくと、
クレームが怖くなくなるよ、

的なお話を少ししてみたいと思います。

お付き合いくださいませ。

クレーム産業と言われる住宅産業

住宅産業はクレーム産業と言われますが、
なぜそんなことが言われるかと言うと、
営業とお客様の間で、
言った言わないのトラブルが
発生しやすいから
です。

新築住宅というのは、
契約時は設計図面しかありません。

実際に建っている建売の場合は、
お客様も見てから買うことができるので、
まだ良いのですが、
請負の住宅の場合は、
実際の家がどんな感じになるのかは、
お客様のイメージの中だけにあります。

もしそれが、お客様のイメージと違った場合、

営業が言っていたことと違う!

とどうしてもなりやすい産業で、
それゆえに他の業種に比べても、
クレームが発生しやすい
わけです。

僕の働いていた大手の住宅メーカーでは
あまり見られませんでしたが、
知り合いの住宅メーカーなどでは、
クレームが発展しすぎて、
裁判になっていたりすることもあります。

また、クレームに耐えられず、
営業マンがうつ病になったり、
会社を辞めてしまったり・・・、

そんな例はよく聞く話でした。

新人時代のクレームまみれの僕

さて、クレーム産業と言われる住宅産業に
就職した僕がどうなったかというと、
セオリー通り、クレームまみれになりました。

僕が大手の住宅メーカーに入る前、
都内で新築の分譲マンションを売る、
営業の仕事をしていまして、
それまでは同じ不動産のマンションを
売っていたのですがこれがまずかった。

僕が売っていた新築のマンションは、
基本、売りっぱなしでした。

契約の時にお客様に印鑑をもらったら、
その後、その方とお会いするのは、
金消契約(ローンが決済される時)だけ。

あとは入居後も全く
お客様とお会いする機会もなく、
本当に、

“ただ売るだけ”

というスタイルでした。

ですので、住宅メーカーに就職した後も、
とりあえずは営業として成績を出そうと、
契約を出すことだけに注力しました。

そして運がいいことに、
入社から半年で、
全国表彰に行くほどの契約を上げ、
青二才の僕は、

どうですか?この成績。
申し分ないでしょう?

と調子に乗っていた矢先、
怒涛のクレームがやってきました。

マンション時代の売ったら終わり、
というスタイルが
癖づいてしまっていた僕は、
売った後のお客様のフォローを
怠ってしまったのです。

住宅の契約は売って終わりではありません。

その後、家が経つまでの、
入念な打ち合わせや地鎮祭、
棟上げ式、竣工、引渡しと
全て営業マンが行いますが、

そんなことよりも契約を取ることに
邁進している僕は、
お客様にとって、

倉地さんって、
契約前と契約後で明らかに
態度が変わったな。

と思われたのでしょう。

何と契約した7件のうち、
全てのお客様から、
キャンセルしたいというクレームが
発生することになったのでした。

これには僕も正直ビックリで、
マンション時代には
考えられないことだったので、
冷や汗ダラダラ・・・。

もちろん会社からは、
キャンセルなど許させるわけがありませんし、

上司
失った信頼を取り戻してこい!

と事務所から送り出されました。

クレームを抱えると契約どころではなくなる

僕に突然降ってきた同時多発的に
発生した7件のキャンセルしたいというクレーム。

これはきつかった。

契約までの仏様のようなお客様の
笑顔は消え、はんにゃのごとく、
怒り狂うお客様たち・・・。

そんなに怒らないで!

とか思うのですが、
そんな冗談が言えるレベルではありません。

心の底から怒ってらっしゃる。

クレームの処理なんて勉強もしたことがない僕は、
ただただ、お客様の怒りを
抑えることに没頭しました。

その時は契約者様のお宅に出向き、
謝って回っていた、
みたいな毎日でした。

そんなことになってしまった僕は、
新規の契約を取れるわけがありません。

土日の展示場での接客もできませんし、
キャンセルを防ぐために、
クレームの対処だけに奮闘し、
3ヶ月間は契約が一件も
取れないという日が続きます。

というよりも契約なんてどうでもよかった・・・。
何とかこのクレームをおさめて、
家が建つまで行ってくれ!

そんな思いだけでしたね。

クレーム同時7件発生事件により、
僕の新規契約は綺麗にストップしたのでした。

クレームの原因は僕にあった

7件同時多発的に発生したクレームなのですが、
さすがに7件も同時に発生すると、
なぜこんなことになっているのか?
ということが理解できます。

まあそれは僕が原因なんですけどね、
要するにうまいことを言って買わされたと
お客様が思われたことが原因でした。

お客様としては、

偽物をつかまされた感覚

でしょうか?

そりゃ怒りますよね。

そんな時、僕の上司が言います。

上司
倉地、ドラッガーの名言を知ってるか?
“人は誰かの失敗には寛容だが、
不誠実さは許せないものだ”
お前はお客さんに不誠実さを
感じさせてしまったんだよ。

「いやいやそんなことわかってるよ!」

と言いたいんですけども、
その通りのところが痛いところで、
でも逃げられず・・・。

本当に頭がおかしくなりそうになりましたが、
陳謝と信頼回復に努めたことによって、
奇跡的に7件全ての方のお家が、
無事に完成し、引き渡しをすることが
できることになりました。

この時に一件も
キャンセルにならなかったのは、
僕の誇りでもありますが、

そのクレーム事件によって、
なぜクレームが発生するかという原理が
わかった僕は、その後は、
クレームというクレームは
発生することがなくなり、
結局、住宅営業として働いていた間では、
キャンセルが発生することは
ありませんでした。

(出資者の親御様が突然他界されて
建てられなくなってしまった
お客様の一件は除く。)

失敗は許してくれるけど不誠実さは許してくれない

7件同時に起こったキャンセルしたいという
クレームを何とかおさめることができたこと。

その経験は、僕に、大きなことを気づかせてくれました。

それは、

人は不誠実さはなかなか許してくれないこと

もう一つは、

人は失敗に関してはけっこう許してくれるということ

です。

言い訳がましいですが、僕がマンションを
売っていた時には、

マンション時代の上司
営業は売ることが仕事だ!

と教えられてきたので、
ただ売ればいいと本気で思っていました。

だから住宅メーカーに転職しても、
それを第一に考えて、
売ることだけに邁進してきました。

それがまずかったのですが・・・。

不誠実さを出そうと思って行ったことではなく、
結果的にお客様にそう思わせてしまっただけで、

それなら、今回は失敗として、
許してもらおう。信頼を取り戻そう。

と7件のお客様と真摯に向き合った結果、
ありがたいことにすべての方の家が建った。

“失敗なら許してくれる”

このことを実体験で感じることができたのは、
すごく大きかったように思います。

クレーム産業にいたからクレームに慣れているわけではない

よく同業の方に言われることがあります。

同業
倉地さんは住宅メーカーにいたから、
クレーム慣れしてるんですね。
僕なんかクレームがあるとすぐに
精神的に参ってしまいますよ。

クレーム産業にいたからといって、
おそらくクレームっていつまで経っても
慣れるものではない
と思うんですよね。

それよりもクレームが発生する根本原因と、
その解決法がわかったから、
対処ができるが正解だと思います。

・クレームが発生するのはこちらの不誠実さ

・失敗なら人は許してくれる(何回もはダメ)

これがわかれば、

たとえクレームが発生しても、
こちらが意図的にお客様を
陥れていない限り、失敗を陳謝し、
信頼を取り戻せば良い。

話せばわかってくれるのが日本人

なんじゃないかと思いますし、
本当にわかってくれます。

普段から人から不誠実に映るような売り方や、
ビジネスをしないこと。

それでも不行き届きでクレームが発生した場合は、

失敗は許してくれると信じて、
信頼を取り戻せば良い。

そんな考えを住宅メーカーにいた時に、
勉強させてもらったからこそ、
クレームに強そうと見えるのではないかと思います。

慣れればクレームに強くなるというものではなく、

売り手自身が常に誠実であること

を常に念頭において、
いつもの仕事にあたる。

そしてその上で仮にクレームが発生してしまった場合は、

故意で不誠実さを感じさせてしまったわけではないのだから、
こちらの失敗は許してくれるはずだと
信じて心から陳謝し信頼を取り戻せば良い。

そう思っていれば、クレームにビクビクして、
常に仕事をするなんてことは
なくなるのではないでしょうか?

「クレーム産業」住宅産業にいて身につけたおかしなこと

クレームには慣れないと申し上げましたが、
クレーム産業に携わって一つ、
身につけたおかしなことがあります。

それはクレームは
“時にあったほうが良い”
思えてしまったことです。

雨降って地固まる

と言いますが、クレームが発生し、
そのクレームをおさめることができると、
それ以前よりもその方との関係が
深まることがあります。

そういうクレームというのは、
逆に僕たちの関係を強固にする
言わば必要なことだった・・・。

そんなことをトラブルの後、
感じたことはないでしょうか?

住宅営業をしてきた人だけかな?

僕は住宅営業をしていて、
途中から何もなくスーと、
契約になることが逆に怖くなりました。

大きなお金が動く住宅です。

そこにはドラマがつきものであって、
あまりにすんなりいき過ぎると、
契約後にどでかいクレームが
必然的に起こるなんてことがあるのです。

だったら契約前とか、初期段階で、
そういう必要トラブルが起こったほうが、
後々お互いのためになる。

そんなことを思ってしまうようになりました。

結婚とかも似てますよね。

僕と妻は結婚まではスムーズだったのですが、
結婚後、離婚寸前という大変なトラブルに
見舞われました(笑)。

それを乗り越えると絆は深まったりするのですが、
それも必要なトラブルだと言えるのではないでしょうか?

だったら、仮に今、お客様と自分との
間でクレームが発生している真っ最中であれば、

あー、これは僕たちの関係を強固にするための
必要なトラブルだ。
話し合いでさらに僕たちの関係を
深めることができる。

そう考えると、あら、不思議、
クレームがチャンスに変わる。

なんてことがあるかもしれません。

少なくとも僕はクライアントさんと
大きなトラブルがあると、

おそらくこの方とは、
深い関係が今後ありそうだ。

とクレーム産業に従事していた頃の
変な癖が身についています(笑)

まとめ

ということで、クレーム産業に
関わった人間として、かなり独特に
クレームについてお話ししてきましたが、

クレームにビクビクしながら、
仕事をしている感じになっている方は、
ちょっとこの考え方を
取り入れてみてはいかがでしょうか?

大恋愛にも大親友にも、
深い関係の人間関係にも、
大きな絆の前には
大きなトラブルはつきものです。

クレームはそのための布石、
視点を変えてみると、
クレーム自体が全く違ったものに
見えてくるかもしれませんよ。

参考にしてみてください。
最後までお読みいただき、
ありがとうございました。