顧客教育とは?教える側は何をすれば人が育つのか?考えておくべきこと

ビジネス

こんにちは。倉地加奈子です。

私は、現在女性起業家さんたちを中心に、
ビジネスに関する悩みをカウンセリングしたり、
お客様の導き方・教育の仕方
レクチャーさせてもらっています。

先日、カウンセリングの際に、
クライアントさんから、

“お客様を教育するってそもそもどういう意味ですか?”

という率直な質問をお受けしました。

確かに顧客教育、とか、
お客様を教育する
という言葉はあまり普段使わない言葉だし、
実は私自身も、

顧客教育ってどういう意味なの?

と疑問に思っていた時期がありました。

ですが、私はある時、
とある方と出会い、
教育ということについての考え方
教えてもらったことで、

この疑問がとても霧が晴れるようになったということがありました。

そこで今日は、私がその方から教えてもらった、
誰かを教育するという意味を、
自分なりに話ししてみたいと思います。

どうぞ読んでみてくださいね。

パン屋さんで目の当たりにした見え覚えろの教育

私は約10年前、今とは全く異なる仕事、
パン屋さんで修行していました。

私がそのパン屋さんに入社したのが、
ある年の4月だったのですが、

入った当初の職場は従業員は女性というパン屋さんで、
また、パン屋さんもオフィス街にあって
朝からお昼過ぎまで、お客様がひっきりなしの、
超、忙しい店舗でした。

飲食店であれば、
もちろん忙しく慌ただしいのは
ある程度想像できたのですが、

この店舗で私が何よりもびっくりしたことは、
その店舗では、物事に関して教える際に、
昔ながらのある方法、

“目で見て覚えろ的なやり方”

を使っていたことです。

私にとってはこのお店がパン屋さんで
働くはじめてのお店で、

パン職人の世界は本当に見て覚えるしかないんだな。

と、しみじみ感じたことを今でも覚えています。

ですが、元来かなり不器用な私は、
この、

目で見て覚えろ!

という指導方法では全く技術を習得できず、
周りに迷惑をかけてばかりいました。

そしてひょんなことから私は、
その店のプリン製造を任されることになり・・・。

どのようにしたら他の人と同じようなプリンが作れるのか?
そして、どのようになったら最高のもので?
何がパーフェクトの商品なのか?

一生懸命、先輩の作り方を
目で盗んでみようとは思うのですが、
これがなかなかうまく盗めず・・・。

周りから怒られ、でもうまくいかずの
試行錯誤を繰り返していました。

新しい店長の教育方法

そして私がプリン製造を任されて、
一週間が過ぎた頃でしょうか・・、

その時、指導してくれていた女性店長が退社され、
それを機に、次の男性店長が、
このパン屋さんで働くようになりました。

この店長は、私がプリンを作っていると
1日目、2日目、3日目・・・と

何やら言いたげに、
私を少し遠くから見守っていました。

またこの店長も見て覚えろ的な人なのかな。

そんなことを思っていたある日のこと、

私がプリン作りをはじめようと卵を割っていると、
この男性店長が横に立って、
プリン作りについて、口を開きました。

あまりしゃべらない人だと思ったので、
突然話し出した店長にびっくりしたのですが、
その時に店長が私に言ってくれた言葉が、

店長
卵黄にお砂糖を混ぜる時、なぜ直ぐに混ぜなきゃいけないか?知っているかな?

私は急に問われたこの質問に、
とても戸惑いましたが、

いや、ちょっと理由はわかりません。

と、その時はそんな感じで答えました。

私はパン屋さんで働く以前は、
インテリアコーディネーターという
全くの畑違いのお仕事をしていて、
プリン作りも全くの素人。

そんな私に以前の女性の店長は、

“目で見て覚えろ”

と言ってくれただけだったので、
なぜ卵黄にすぐに砂糖を混ぜないといけないかなんて、
知る由もありません。

店長
あのね、一つ一つの工程には、必ず意味があるんだ。

と言葉を発してから、
プリン作りの作業について一つずつ
優しく素人の私にレクチャーを始める店長。

店長
例えば、先程の卵黄にお砂糖を入れた時の場合でいけば、
卵黄がお砂糖を直ぐに吸ってしまい、
ダマになってしまうんだ。
店長
そうすると、この一つの工程がうまくできなかっただけで、
舌触りの悪い、そして甘みの強いプリンになる。

ちょっとびっくりしたのですが、
この店長の指導方法は、
ただ見て覚えるといった感じは全くなく、
すべてに理由をつけて教えてくれます。

そもそも私は性格的に
理由がないことを黙々とはできない性格なので^^
この店長の話は興味深く、
不器用な私にもするすると、
どんどん耳に入ってきます。

店長の商品に対しての
愛情・プロとしての意識も凄かったのですが、

何よりも私の心を打った言葉は

店長
いいかい?仕事の一つ一つの工程には、必ず意味があるんだよ。

という言葉でした。

仕事には一つ一つに意味があるかあ〜!
その意味がわかれば不器用な私にもできるかもしれない!

素直にそんなことを思いましたし、
店長の教えにやる気が湧いてきました。

目で見て覚える、それも、
もちろん一つの教育・人を育てることかもしれませんが、

この、

「一つ一つの工程には、必ず意味がある」

という言葉は、大げさかもしれませんが、私にとっては、
その後の人を教育するというやり方を考える時の
大きな礎(いしずえ)となりました。

私は、インテリアコーディネーター時代、
営業職だったのですが、

後輩にどのようにインテリア商品を
販売・セールスするのか?を教えてあげて

と上司に後輩の教育を頼まれた時、
自分ではできていることを
人に教えるとなるとなかなか
うまく伝えられない
と悩んでいた時期がありました。

その時は、

人を育てるのって難しいなあ。

と漠然と思っていただけでしたが、
今思えば、

自分のやっていることの意味を
考えていなかったから、
人に教えられないんじゃなかったんじゃないか?
もしかすると、その当時は私自身が、
見て覚えろ的な指導を後輩にしていたのではないか?

と思い知らせされます。

今回の店長の言葉、

“一つ一つの工程には、必ず意味がある”

を聞いて、

このことがわかっていたら、
もしかしたらあの時も後輩を
うまく指導できたかもしれない。

とちょっと悔しさが襲ってきたほどです。

私は、20歳から営業職に就き、
常に自分の感覚だけでセールスを行ってきていて、
その仕事の意味なんて考えたこともなかった・・・。

「何故、そのことをやる必要があるのか?」

「どんな意味があってその仕事をしているのか?」

そんなことを考えることもなく
感覚だけでできてきてしまっていた・・・。

だからこそ、人に教えるときに、
うまく伝えることができないんだな・・・

この店長の教えによって、
そのことに気づくことができたのです。

人を教育するときに教える側が思っておかなければいけないこと

そこからの私は、
その店長の言葉の意味を
自分のものにしようと、

“一つ一つの工程には意味がある”

という言葉通り、プリン作りも、
全ての工程で、

どんな意味があって今の作業をしているのか?

ということを頭において取り組みました。

そして意味がわからないことがあったら、
すぐに店長に聞いて。

こんな感じの仕事を繰り返した結果、
なんと不器用な私が数日でプリンが作れるようになり・・・

しかも今ならこのプリン作りのやり方を
誰かに教えることだってできる!

といった変な自信までついてしまいました。

その店長と過ごした半年間は、
あっという間ではありましたが、
本当にその期間は
いろいろなことを学ばせていただきました。

その店長は、全ての仕事、工程を教えてくれる際、
必ず、それをする意味を合わせて教えてくれました。

だから私でもどんどんプリン作りだけでなく、
パン作りもその他の仕事も
上達することができたのだと思います。

私も人に仕事を教える時は、
一つ一つの意味を教えよう!
そうすれば私みたいな不器用な人でも、
技術を習得することができるのだから。

教える立場になってこの教えは役に立った

その後、私はパン屋を開業します。

今度は人を指導する側になったわけです。

そのときに本当に役に立ったのが、
あの時の店長の言葉、

“一つ一つの工程には意味がある”

でした。

大げさでなく、その教えなくしては、とても、
数十人の従業員を一度に指導するなんて
できなかったと思えるほどです。

ビジネスカウンセラーになっても教育をするということは同じ

さて、現在私は、
従業員ではなく、クライアントさんを指導させてもらったり、
クライアントさんに顧客教育とはどういったものか?
ということをレクチャーさせてもらっています。

お客様を育てる立場の起業家の方であれば
誰もが直面する

クライアントさんの教育するってどうすればいいんだろう?

という悩みに私はこう答えています。

教育とはその人にその仕事を行う意味を教え、
その人が自発的にできるようになってもらうことを促すこと

起業家の方の教育する場面に例えるならば、

「なぜ、そのことを行う必要があるのか?」

「そのことを行うとどのように変わるのか?」

「そしてそれをしなかった時、何が起こるのか?」

“一つ一つのことには必ず意味がある”

ことを色々な角度からレクチャーしていくと、
クライアントさんも成長しやすく、
学びやすいのではないかと思うのです。

と言うよりも少なくとも不器用な私は、
意味を教えられず、見て覚えろ的な教育方法では、
出来るようになるどころか苦痛でしかなかった。
だったら教える側が教えられる側のことを考えて、
その仕事を行う意味を伝えよう。

そのやり方のほうが
出来るようになってくれる割合も多いように思いますし、
何よりも教育する側が頭を使うことになるので、
誰かに教えているようでこちらが一番成長できる。

見え覚えろ的な教育方法では
その感覚は絶対に得られません。

“仕事には一つ一つに意味がある”

その意味が説明できないなら、
感覚で行っている証拠なんだな。
感覚で行っていることを
しっかりと意味づけして相手に伝わるように教えよう。

こんなことを考えると、

誰かを教育するということが、
実は自分を教育することなのかな。

顧客教育についてのヒントを感じてもらえるのではないでしょうか?

まとめ

仕事の一つ一つには意味がある

私がパン屋修行時代に店長からもらった教え。

この教えは教育を受ける側も
そして教育する側も考えておく大事なことのように思います。

何かの参考にしてもらえれば嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。