目次
先日、とある方のセミナーを受けていた時に、
自分の作品を世の中に広める時は、
「どう広めるかよりも、
その作品に透かしが入った
本物かどうかが重要。」
ということをお話しされていました。
この話を聞いた時、
[voice icon=”https://kurachi.jp/wp-content/uploads/2019/04/boku.jpg” name=”僕” type=”r icon_red”]ほんとその通りだなー。[/voice]
としみじみと思ったのですが、
それと同時にこのことが
全くわからなかった昔を振り返り、
未熟だった自分を思い出しました。
そこで今日は、
セミナーや小冊子、ブログ、
自分自身のブランドなど、
自分の作品を作るときに持っておきたい、
自分の作品に透かしを入れる重要性について、
ちょっと僕の考え方を
お話ししてみたいと思います。
偽物だった僕の設計図面
僕は住宅メーカーの
営業をしていた時があります。
僕がいた会社では、
営業が、設計図から内観、外観パースや
配置図などなど、お客様に提案する
プレゼンを一人で作るのが決まりで、
住宅の展示場に来てくださるお客様に、
毎回、凝ったプレゼンを
夜な夜な時間をかけて作り、
それこそ、同僚の誰よりも綺麗なプレゼンを
お出しするのが僕のこだわりでもありました。
ただ、この僕の仕事を
180度否定される事件が起こります。
その時の上司、Aさんは、
営業界のスーパーマンみたいな人で、
入社以来、スランプに陥ったことがないという
ちょっと化け物的な営業マンでした。
その人が僕に言うわけです。
[voice icon=”https://kurachi.jp/wp-content/uploads/2019/04/toyoda.jpg” name=”Aさん” type=”l icon_blue”]倉地さあ、そんなプレゼンを
ただ凝ってもダメだよ。
手書きのプランだけで
契約が取れるようにしないと。[/voice]
手書きのプランとは、
お客様にお出しする前に、
僕ら営業が作る絵コンテみたいなもので、
本来であればお客様に出すものではありません。
それなのに、Aさんはその絵コンテだけで、
契約が取れると豪語するのです。
[voice icon=”https://kurachi.jp/wp-content/uploads/2019/04/boku.jpg” name=”僕” type=”r icon_red”]え?でもそれじゃあ、
お客さんに失礼じゃないですか?
僕はお客さんに失礼がない
しっかりとしたプレゼンが出したいから
こだわってやってるんです。[/voice]
[voice icon=”https://kurachi.jp/wp-content/uploads/2019/04/toyoda.jpg” name=”Aさん” type=”l icon_blue”]でもお客さんが求めてるものは
そこじゃないんだぜ。[/voice]
[voice icon=”https://kurachi.jp/wp-content/uploads/2019/04/boku.jpg” name=”僕” type=”r icon_red”]・・・。[/voice]
僕はAさんを大変尊敬していたので、
Aさんにはそれ以上、
反論はしなかったのですが、
その時の僕の価値観では、
「やっぱり、お客様に提出するものは、
しっかりとしたものでなければいけない。」
というポリシーを強く持っていたので、
僕の考え方を曲げることはありませんでした。
僕の完璧なプレゼンが手書きのプランに負けた・・・
そんなある日、僕がいつものように、
あるお客さんにプレゼンを持って
提案に出かけようとしていた時、
上司であるAさんが話しかけます。
[voice icon=”https://kurachi.jp/wp-content/uploads/2019/04/toyoda.jpg” name=”Aさん” type=”l icon_blue”]今日時間が空いてるから、
倉地のお客さん、同行しようか?[/voice]
同行というのは、上司などが、
新人営業マンの横について提案をし、
つたない新人の代わりにサポートしながら、
営業をするというもので、
その時、僕はもう、
新人ではなかったので、
[voice icon=”https://kurachi.jp/wp-content/uploads/2019/04/boku.jpg” name=”僕” type=”r icon_red”]あ、はあ。[/voice]
みたいな感じで、
「別に来てくれなくてもいいのに・・・」
とか本心で思いながら、
渋々、Aさんに同行を
してもらうことにしました。
そして提案が始まります。
僕は前日、夜遅くまで
必死に仕上げたプレゼンを持ち出し、
お客様に提案をします。
綺麗なパース、色付けされた設計図、
キャドで書いた完璧な見取り図。
[voice icon=”https://kurachi.jp/wp-content/uploads/2019/04/boku.jpg” name=”僕” type=”r icon_red”]どうですか?このお家は
素晴らしいでしょう?[/voice]
と心で思いながら自信満々に
提案をするのですが、
どうもその時のお客様は、
いまいち反応が良くありません。
[voice icon=”https://kurachi.jp/wp-content/uploads/2019/04/customer.jpg” name=”” type=”l icon_blue”]まあ、素敵なプランだとは思うんですけど・・・。[/voice]
とお客様の顔が曇った瞬間、
Aさんが暴挙に出ます。
[voice icon=”https://kurachi.jp/wp-content/uploads/2019/04/toyoda.jpg” name=”Aさん” type=”l icon_blue”]このプランは今日、新たな提案をするための
参考として持って来ただけなんです。[/voice]
え?
そんなことを言うと、
僕の作ったプレゼンを
全て袋にしまい込み・・・。
そしてAさんは一枚の
設計図用の方眼紙を取り出し、
お客様の前でプランを書き出します。
[voice icon=”https://kurachi.jp/wp-content/uploads/2019/04/toyoda.jpg” name=”Aさん” type=”l icon_blue”]リビングはやはり玄関と隣接ですよね?[/voice]
[voice icon=”https://kurachi.jp/wp-content/uploads/2019/04/toyoda.jpg” name=”Aさん” type=”l icon_blue”]お子さんがいらっしゃるので、
キッチンは対面型がいいですよね?[/voice]
お客様と軽快に打ち合わせをしながら、
鉛筆でプランを書いていきます。
そして30分もしないうちに、
鉛筆で書かれた絵コンテのような
設計図をお客様の前で完成させました。
するとなんとそのお客様、
[voice icon=”https://kurachi.jp/wp-content/uploads/2019/04/customer.jpg” name=”” type=”l icon_blue”]これです。これが私たちの建てたかった家です![/voice]
と目の色を変えて喜びだし、
しかも言わなくてもいいのに、
[voice icon=”https://kurachi.jp/wp-content/uploads/2019/04/customer.jpg” name=”” type=”l icon_blue”]これに比べると倉地さんの
持って来てくれたプランは
ちょっとないですね・・・。[/voice]
という強烈なストレートパンチまで
僕に見舞いました。
「僕のプランがかませ犬として使われた・・・」
「しかも鉛筆書きの絵コンテのようなプランに負けた・・・」
[voice icon=”https://kurachi.jp/wp-content/uploads/2019/04/boku.jpg” name=”僕” type=”r icon_red”]結果的に言うとですね、
このプランで建っちゃったんですよ。
しかもほとんど変更なくね。ちっ。[/voice]
まあ、僕の成績になりましたので、
営業としてはAさんに感謝なのですが、
屈辱以外のなにものでもないですよ。
Aさんが言います。
[voice icon=”https://kurachi.jp/wp-content/uploads/2019/04/toyoda.jpg” name=”Aさん” type=”l icon_blue”]な?プランは綺麗に作ればいいってもんじゃないだろ?[/voice]
くそー!ですよ。
でもあまりにも悔しいので、
僕はAさんに聞きます。
[voice icon=”https://kurachi.jp/wp-content/uploads/2019/04/boku.jpg” name=”僕” type=”r icon_red”]じゃあ、一体、お客様に提案するときに
必要なものとは何なのですか![/voice]
[voice icon=”https://kurachi.jp/wp-content/uploads/2019/04/toyoda.jpg” name=”Aさん” type=”l icon_blue”]それはお客さんのために、
これは絶対役に立つんだ!という情熱だよ。
着飾ったものじゃない。[/voice]
え?根性論?
その時の僕は、Aさんの言っていることが
正直あまり、理解できませんでした。
その後、僕は独立し、
クライアントさんの教材やセミナーなどを
多く作る仕事をさせてもらう中で、
[voice icon=”https://kurachi.jp/wp-content/uploads/2019/04/boku.jpg” name=”僕” type=”r icon_red”]Aさんの言ってたことはまさに真実だなあ。[/voice]
と思えるようになりました。
そこで先日のセミナーです。
その作品には透かしが入っているか?
セミナーで講師の方が、
「どう広めるかよりも、
その作品に透かしが入った
本物かどうかが重要。」
ということをおっしゃった時、
僕はAさんに昔、言われたことを
思い出していました。
当時、Aさんに、
[voice icon=”https://kurachi.jp/wp-content/uploads/2019/04/toyoda.jpg” name=”Aさん” type=”l icon_blue”]それはお客さんの役に立つものだよ。
着飾ったものじゃない。[/voice]
と言われても全くピンとこなかったのですが、
今ならその理由が少しわかるので、
このセミナー講師が言った真意を
僕なりにわかりやすく解説してみようと思います。
自分でビジネスをしていると、
自分を広げるために、
小冊子を作ったり、ブログを書いたり、
なんらかの作品を世に送り出すことで、
広めようとすると思います。
でもそれがなかなか広がっていかなかったり、
思ったように支持を得られなかったりすると、
[voice icon=”https://kurachi.jp/wp-content/uploads/2019/04/096469.jpg” name=”” type=”l icon_blue”]この小冊子の広め方がいけないんじゃないか?[/voice]
[voice icon=”https://kurachi.jp/wp-content/uploads/2019/04/096469.jpg” name=”” type=”l icon_blue”]広めるためのツールが良くないんじゃないか?[/voice]
そんなことを思われる方が多くいらっしゃいます。
でも実はそのことは、
それほど重要ではなくて、
作品が本物であれば、
そんなことを考えなくても
勝手に広がっていく。
そんなことがあることも事実です。
まさにAさんのプランのように、
手書きだとしても
絵コンテのような出来栄えだとしても、
人の心を打つものが存在するわけです。
そのセミナー講師の方の言葉を借りれば、
“その作品に透かしが入っていれば、
それは勝手に広まる”
ということだと思いますが、
確かに日本銀行券には透かしが入ってますが、
透かしが入った一万円札は、
何をしなくても誰かの手から誰かの手に
渡っていきます。
受け取った誰かが、
「いらないからドブに捨てよう。」
みたいなことにはなりません。
一方、透かしが入っていない、
子供銀行券^^は、いくら装飾が豪華でも、
多分、人から人へとは渡っていかないはずです。
僕のキンキラキンのプランがそうですね。
[voice icon=”https://kurachi.jp/wp-content/uploads/2019/04/boku.jpg” name=”僕” type=”r icon_red”]何と言ってもAさんの手書きのプランの
噛ませ犬として使われましたからね![/voice]
だから自分の作品を作って広めるためには、
どう広めたら良いか?
ではなく、
その作品に透かしが入っている
本物にする必要
があって、
透かしが入っていれば、
あとは勝手に誰かによって広がったりする。
そんなことを講師の方は
言いたかったのではないかと思います。
本物の印「透かし」の正体
では講師の方が言う、
透かしはどう入れればよいのでしょうか?
これはAさんの言った通りだと思います。
その人の役に立つことをこちらが
真剣に考えて作り上げたもの。
これこそが透かしが入った
作品なのではないかと思います。
[voice icon=”https://kurachi.jp/wp-content/uploads/2019/04/boku.jpg” name=”僕” type=”r icon_red”]僕の豪華絢爛のプランも
考えてなかったわけではないんですけどね、
ガワを綺麗にすることに気を取られすぎて、
大事な視点がおそろかになっていたかなと。[/voice]
今ではわかるんですが、
人のためになる、役に立つことを
一番に考えて全身全霊をかけて作品を作る。
このことが何よりも重要だと
いうことが今ではわかります。
僕も数々のクライアントさんの
コンテンツ(作品)を作りますが、
「これは透かしが入った!」
と思える会心の作品が出来た時は、
[voice icon=”https://kurachi.jp/wp-content/uploads/2019/04/boku.jpg” name=”僕” type=”r icon_red”]今すぐにこれを表に出したい!
広めたい!世の中に届けたい![/voice]
と興奮冷めやらない状態になりますが、
これぞまさに透かしが入った作品が出来た時、
と言えるのではないでしょうか?
そしてそういうクリティカルヒットが
生み出せた場合、これが確実に
広がっていくんですね。
重要なのは、
人の役に立つんだ!
という強い思いが乗ったものかどうか
だったわけです。
昔の僕に言ってあげたいですね。
[voice icon=”https://kurachi.jp/wp-content/uploads/2019/04/boku.jpg” name=”僕” type=”r icon_red”]倉地くん、ガワだけ
きらびやかにしてもダメだって。
透かしが入ってないとね。[/voice]
“本物です”というラベルを自分の作品につけていた僕
以前の僕は透かしを入れるよりも、
綺麗に作ること、きらびやかに見せること、
そんなことに重きを置いていたように思います。
でもそこに「人に役に立つもの」
という情熱がかけていると、
透かしが入っていない
偽物ということになってしまったりする。
だから一生懸命、周りを綺麗に飾って、
「本物の証です」というステッカー、
ラベルを自分の作品に貼り付けて、
自分の納得させて提案していた。
それをAさんに見透かされていたわけです。
[voice icon=”https://kurachi.jp/wp-content/uploads/2019/04/boku.jpg” name=”僕” type=”r icon_red”]よく考えると
これは本物ですって書かれたものほど、
うさんくさいものはないですね。
かませ犬になるのも当然です。[/voice]
今現在は、そんな苦い経験を踏まえ、
自分の作品や、クライアントさんの
作品を作るときには、
“その作品には透かしが入っているか?”
そのことを一番に考えるようにしています。
そしてそれがうまくいったとき、
本物の証とは書かれていなくても、
その作品にはしっかりと本物のオーラが宿る。
“神は細部に宿る”と言いますが、
まさに“細部とは透かし”ですね。
本物は勝手に流れていく。広がっていく。
今回のセミナーの講師の方、
上手な表現をするなあと
感心させられたという経緯です。
まとめ
さて、僕の未熟だった頃の恥ずかしエピソードを
交えて自分の作品を作るときに、
考えておくべき重要な視点について
お話ししてきましたがいかがでしたでしょうか?
その後、ビジネスを勉強してわかったのですが、
人を集める時も、
自分の透かしで集めるか?
本物の証ですというラベルで集めるか?
ラベルで集めてしまうと
どうしても苦しくなる
ということがあるのですが、
同じ理由ですね。
透かしの入ったものであれば、
自然な流れの中で広がるから、
無理のないビジネスができるわけです。
[voice icon=”https://kurachi.jp/wp-content/uploads/2019/04/boku.jpg” name=”僕” type=”r icon_red”]いやー、昔の自分に教えてあげたい^^[/voice]
ということで参考にしていただけましたでしょうか?
ブログや小冊子、何かしらの自分の作品を
作るときの参考にしていただければと思います。
最後までお読みいただきまして誠にありがとうございました。